骨粗鬆症リエゾンサービスについて

骨粗鬆症の治療向上と転倒予防を目的とした多職種連携システムを、「骨粗鬆症リエゾンサービス(Osteoporosis Liaison Service:OLS)」と呼びます。リエゾンは「連絡係」と訳され、診療におけるコーディネーターを意味します。つまりOLSは、骨粗鬆症予防や治療の為のコーディネーターを院内外で行う為のシステムです。

初めてこのシステムを実施した英国で骨折抑制に成功した事から、現在は欧米各国へ普及しています。当院でも平成28年9月に骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS)委員会を立ち上げ、多職種による取り組みを開始しました。

超高齢社会と言われる日本では、骨粗鬆症患者は増加の一途をたどっています。50歳以上の女性の実に半数以上が、生涯に椎体骨折や大腿骨近位部骨折を起こすと言われ、要支援・要介護状態となる大きな原因となっています。骨折や転倒の減少が急務である一方、その予防や治療率は伸び悩んでいるのが実情です。その理由には、骨粗鬆症そのものが痛みを伴わない場合が多いこと、加齢と共に内服や通院が困難になることなどが挙げられます。

そこで大切なのが、多職種によるアプローチです!

当院では、医師だけでなく多職種が専門分野を生かして連携し、骨粗鬆症の薬剤治療だけでなく、運動療法や食事療法など、予防にも積極的に取り組んでいます。

多職種15名で構成された当院のOLS委員会は、後述する骨粗鬆症マネージャーを中心に、日々骨折予防に取り組んでおります。今後は地域でも多職種連携を図り、骨粗鬆症の早期発見と早期治療、治療継続に向けた活動を積極的に行っていきたいと考えています。

骨粗鬆症マネージャーについて

骨粗鬆症に関する知識を有するスタッフとして、日本骨粗鬆症学会が認定した資格です。日本骨粗鬆症学会が定めた教育プログラムを受講し、学会認定の資格試験に合格する事で取得できるものです。その目的は、地域における骨粗鬆症の予防や早期発見、治療継続や啓発とされています。
当院のOLS委員会にも骨粗鬆症マネージャーが所属しております。

当院骨粗鬆症マネージャーの紹介

  • 鈴木悦子

    資格:
    看護師
    骨粗鬆症マネージャー

    骨粗鬆症による骨折は要介護や寝たきりの原因となることが多く、それを予防するためには、自分の骨の状態を知ることが大切です。
    骨粗鬆症マネージャーである私に今求められているのは、骨粗鬆症検査の必要性を伝えること、治療継続をサポートすることだと思っています。
    当院では15分程度の簡単な検査で骨密度を測ることができます。皆さんに便利に使って頂くことが、骨粗鬆症を放置しないこと、進行を食い止めることに繋がります。
    そして、骨粗鬆症治療には継続が不可欠です。継続には、骨粗鬆症という病気の理解や治療の必要性を知ることが重要です。
    骨粗鬆症マネージャーとして、患者様が積極的に治療に参加することができるよう相談にあたりながら、健康を支援させて頂きたいと思います。

  • 本多弘明

    資格:
    理学療法士
    骨粗鬆症マネージャー

    以前私はスキーインストラクターとして働いていました。体が動くことが当たり前で、年を取っても技術さえあればスキーを続けることができると思っていました。
    それから、病院に勤めてみると骨折する患者様の多さに驚かされました。
    「年だから骨折するのは仕方ない」
    「年だから寝たきりになるのは仕方ない」
    そんな言葉をよく耳にします。
    勿論、年齢を重ねれば皺が増え、耳が遠くなり、骨も弱ります。とは言っても、骨折により寝たきりや生活動作に支障がでることは本当に「仕方がない事」なのでしょうか?
    骨折は予防する事ができます。骨粗鬆症マネージャーという資格を取得し、自分自身もその為の手段を学ぶことができました。毎日の生活でできる骨折予防、子どもの頃からの食習慣や運動、様々なことが今の自分や未来に役立つと感じます。
    私たちは、病院という場所にとらわれず、病気にさせない予防医療を地域の皆さまへお伝えできれば幸いです。

当院におけるOLS委員会の取り組み

当院では、増加する骨粗鬆症患者の増加を食い止めるべく、また、長岡市を日本一骨折の少ない街にするべく、2016年、OLS委員会を立ち上げました。取り組みは、以下の通りです。

院内学習会の開催

院内の職員向けに、定期的な学習会を開催しております。OLS委員会スタッフが中心となり、骨粗鬆症や骨粗鬆症治療継続の必要性について理解を深めています。

患者さんを対象とした、骨粗鬆症予防教室

毎年3回、外来患者様を対象に、1時間半程度の予防教室を実施しています。医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、MSWが、それぞれの専門性をいかした骨折や骨折予防にまつわる講義を、内容を変えて行っています。

骨粗鬆症循環型連携

内科の先生と連携を図りながら、骨粗鬆症治療の開始・継続を目指すものです。

骨粗鬆症循環型連携について

地域の診療所にかかっていられる患者様が、骨粗鬆症治療をスムーズに開始・継続できるようにと、平成30年より開始した事業です。
内科医の先生より骨粗鬆症のリスクのある患者様を紹介して頂き、当院整形外科で診断や処方等を行います。その後の治療を内科医の先生のもとで行うことで、受診の負担軽減と治療継続率の向上を目指しています。

骨粗鬆症循環型連携の流れ

  • 吉田病院放射線科へ電話予約

    電話番号0258-32-0490

  • 吉田病院からの予約確認書をFAX受信
  • 吉田病院へ申込書をFAX送信

    FAX番号0258-36-5032

医療法人 誠心会 吉田病院
〒940-0053 新潟県長岡市長町1丁目1668

TEL:0258-32-0490
FAX:0258-36-5032

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